「ドイツ エネルギー変革の真実」についての意見

2016年4月15日(金)

ono小野 章昌
エネルギーコンサルタント

山家公雄氏の著書「ドイツ エネルギー変革の真実」は科学合理性、経済合理性に欠ける幾つもの間違いを犯していますので、同氏が要約された10の論点について詳細にその間違いを指摘させていただきます。

最初に、著者が「電力」および「電力市場」についての基本的な知識に欠けている2つの点を挙げさせていただきます。実はこれは最も大切な知識であり、著者の考えの間違いが生じる最大の要因でもあるわけです。

Ⅰ.「kW」と「kWh」の違いを認識できていない
Ⅱ.燃料費がゼロだから優先受け入れされるのではなくFITがあるから優先受け入れされている

(中略)

 続いて著者が冒頭に掲げている10の論点(著者の主張)について詳細に検討してみたいと思います。

論点1:ドイツで再エネが普及しているのは欧州に位置しているのが理由ではない
論点2:ドイツの電力コストは高くない
論点3:エネルギーコスト上昇で産業空洞化はない
論点4:再エネ賦課金(6セント/kWh)は再エネコストを反映したものではない
論点5:原子力を減らしてもフランスからの電力輸入が増えることはない
論点6:輸出の増加はドイツの電力コストが低いから
論点7:CO2削減に失敗しているのではない
論点8:新制度(プレミアム制度)とFITは同じものである
論点9:電力システム崩壊にはつながらない
論点10:「再エネはFITという補助金を得て既存発電を追い込んでいる」というのは
間違い

本文はこちらよりダウンロードして下さい。

 

著者紹介:小野 章昌氏
1939年愛知県生まれ。
1962年東京大学工学部鉱山学科卒。同年三井物産㈱入社。
1964-65年コロラド鉱山大学(修士課程)に短期留学。
三井物産では主として銅・亜鉛などの資源開発とウランを含む原子燃料サイクルビジネス全般に従事。
現在はエネルギー関連のコンサルタントとしてTV、雑誌などで提言を行っている。

この記事の閲覧数:495

ページの先頭に戻る↑