最終処分場基本問題検討会
設立趣意
- 活動の目的
原子力に関して国民の理解が十分に得られていない要因の一つは、高レベル廃棄物の最終処分場の見通しがついていないことが上げられ、その確保は国家的要請であります。
世界的には、フィンランドで昨年11月に政府がオルキルオトへの最終処分場建設を許可し、スウェーデンではフォルスマルクが最終処分地として選定され、現在安全審査中です。処分場問題は少しずつ進展しつつあります。
わが国では、2000年に最終処分法に関する法律が制定され、原子力発電環境整備機構(NUMO)が実施主体として地層処分実現に向けた取り組みを開始しましたがほとんど機能せず、2015年に基本方針の改定が閣議決定されました。
新たな方式が追加されましたが、国民や地域と対話を進め、理解を得ながら進めていく方針に変わりはありません。原子力国民会議は草の根活動を準備的に進めてきましたが、今後、これまでの実績を基に活動を拡大していきます。1年ごとに報告書をまとめる。 - 期間
3カ年間:平成29年2月~平成32年1月
議事録
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第7回[PDF]
(1)学術会議への反論について以下のようにまとめた。
a) 学術会議の言い方(論理)は変わっていますよという点
b) 総量規制は、未来の可能性を閉ざすものであり、だめである。
c) 暫定保管の考えは取り入れています。
d) 学術会議が提案している第3者機関は、原子力委員会にする。
e) 回収可能性については採用する。(2)これまでの最終処分候補地の募集活動がうまくいかなかった理由について検討した。
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第6回[PDF]
(1)最終処分場に関する学術会議回答書に関する見解の検討を行った。
(2)原子力プラントと地層処分について、安全目標、技術基準、等級別扱い、深層防御、心構え(安全文化)などの基本的項目で整理すると地層処分で必要なことが見えてくるのではないか
(3)国民の受け入れについて議論を進めた。 -
第5回[PDF]
(1)最終処分場に関する原子力国民会議主催のセミナーを開催することとしプログラム案について議論した。
(2)地層処分の安全性・科学的有望地について草の根理解活動を進めるための要点を議論した。
(3)最終処分場の配置図であるが、1本1本の各線が直径5m程度のトンネルになる。意外とこれが伝わっていない。最終処分場では200~300kmのトンネルを掘る。この距離は東京名古屋間に相当する。これを1か所に納めることで、ある意味特殊な大型プロジェクトである。事業費はプロジェクト全体では3兆円以上となる。 -
第4回[PDF]
(1)想定される報告書の目次案について議論を行った。
(2)地層処分の理解活動を上手にやる必要があるが、司令塔がないのではないか。エネ庁は司令塔をやらないのではないか。フランスの場合、司令塔は一人の人間である。日本は廃棄物対策課が司令塔になればよいのだが、法律上はNUMOである。日本銀行とNUMOとは法の上では同等であるが、信頼の度合いが違う。
(3)日本における処分場の建設可能性について、地層、岩盤、地下水、安全性の観点から議論を行った。 -
第3回[PDF]
(1)地層処分の在り方についての学術会議の主張について問題点を分析した。
(2)学術会議の主張する総量規制と暫定保管が根源的な課題で、その後の活動に大きな影響を及ぼしている。
(3)NUMOのこれまでの活動の問題点について議論した。国民や知事に対する説明で、文献調査と候補地選定を結びつけ、リンクが強くなってしまった。
適切な地質はどこにあるのか、あまり議論されておらず、関心を持ってくれた地元を調べるといったやり方になっている。すなわち調査イコール候補地選定となっている。本来はどういう条件・状態にあるか科学的議論をする場にすべきである。 -
第2回[PDF]
(1)地層処分の海外の進捗状況について調査した。
(2)スウェーデン、フィンランド、フランス、ドイツ、米国、カナダの現状を総括した。
(3)日本の方針として、国は焦らないこととしている。有望地公表は理解活動の一環として考えている。応募要請は国からはしない。NUMOにもブレーキをかけている。
・海外で成功した方法でも、日本に適用できることとできないことがあるのではないか。日本に適する方法を提言する必要がある。 -
第1回[PDF]
(1)本検討会は確率論的なアプローチも使いながら、安全評価に取り組む。「最終処分場ほど安全なものはない」という結論が目標にして、従来の説明の手法の限界はどこにあるのか、論点はどこにあるのか議論する。
(2)過去の最終処分場問題の経緯を整理した。
(3)放射性廃棄物処分に係る安全規制について現状を整理した。個別審査の方法を除いて安全規制のシステムはできている。