“もんじゅ”再生に向けた提言 -原子力パラダイムの再構築(もんじゅ編)-

はじめに

 原子力規制委員会(以下「規制委員会」という)は、日本原子力研究開発機構(以下「機構」という)に対して、平成24年12月12日及び平成25年5月29日に原子炉等規制法の関係規定による保安措置命令を発出した。更に、機構に改善の兆しが見られないとして、平成27年11月13日、文部科学大臣あてに「高速増殖原型炉“もんじゅ”に関する文部科学大臣に対する勧告」(以下「勧告」という)(付録3参照)を発出し、【①運転主体を日本原子力研究開発機構以外に特定すること及び②前記が困難な場合には“もんじゅ”という発電用原子力施設の在り方を抜本的に見直すこと】を求めた。しかも「半年を目途として」との期限付きである。

(中略)

 “もんじゅ”再生に向けて、機構に受動的体質などの組織上の問題があったことは機構自身真摯に反省する必要がある。一方で、“もんじゅ”の運営を阻害した多くの外部要因があったことも事実である。この意味で勧告は矛盾をはらみつつ、“もんじゅ”再生に向けて好機をもたらしたともいえる。

 本書は、“もんじゅ”に関する規制の在り方に資するべく、“もんじゅ”のこれまでの保守管理不備問題の原因を長年の開発の歴史を踏まえて分析すると共に“もんじゅ”に課せられた使命を現時点の状況を踏まえて再検討し、高速増殖炉の開発を絶やすことが無いように再出発する方策について提言するものである。

(以下省略)

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