自民党PTで説明-原子炉等規制法の再改正案について-

2016年10月26日(水)

 原子力国民会議は、これまで検討を重ねてきた“「原子炉等規制法」の再改正案”を、平成28年10月18日に開催された自民党「原子力規制に関するプロジェクトチーム」部会へ提言しました。

提言の骨子は次のとおりです。
 1)原子力行政は以下の問題を抱えている。

①法の執行が独善的に行われている。
②法の執行に予見可能性の配慮に乏しい
③法の執行にスピード感がない

2)上記問題を解決し原子力規制行政を正常化するためには、
    炉規法に下記を明記することが有用である。

① 第1章(総則)の第1条の2に下記の(基本方針等)を書き加える。

・行政官の心得とでも云うべき下記の「行政の一般原則」を明記する。
信義誠実の原則:規制者と被規制者の協業関係を改善する。z
権利濫用の禁止原則:過剰な規制要求や高圧的な審査対応を排除する。
比例原則:安全性への寄与度合いと投資の大きさのバランスを考慮する。
・法の執行の適正さを確保するために監察機能を有する組織を設ける。
・審査プロセスや判断基準、命令の根拠等を明らかにするために文書化する。
・設備を追加等は、追加により安全に寄与する度合いとその費用の大きさのバランスを評価して決定する。
・技術的検討課題については、法律に基づいて設けられている専門的な技術審査会(原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会)の審議を経て決定する。

②第1章(総則)の第1条の3に(定量的安全目標)、第1条の4に(リスク情報活用)を書き加える。

・原子力によるリスクが許容できるかについては、社会の他のリスクと比較できる安全レベルを定めて国民に説明することが必要である。そのための定量的安全目標を定め、確率論的安全評価等によって得られるリスク情報を積極的に活用する必要がある。

③第43条の3の32(運転の期間等)の算定日数及び延長可能回数を変更する。

・設備は、運転時間に応じて経年変化していくので、「40年」の算定には実際に運転した日数(定格負荷相当年数)を用いる。
・延長は1回限りに限定するのではなく、評価して安全性が確認できれば更なる延長も可能にする。

 ☟改正により☟

  =誰が規制委員、規制担当官になっても、
審査がぶれることなく円滑に進展するようになる=

 部会には、吉野正芳座長、井上信治座長代理、石川昭政事務局長他、約10数名の衆参議員及び原子力規制庁、内閣府(原子力防災)の方々が出席され、原子力国民会議の宮代表理事、山口理事が説明を行い、活発な議論が行われました。

 国会議員の方々には概ね賛同を頂きました。主なご意見は以下のとおりです。

  1. 規制行政の基本原則や、規制判断の際の判断基準を法律に明記することは、規制行政の透明性や説明性を確保するうえでも不可欠である。
  2. 安全目標は、ぜひとも定めるべきである。

 炉規法改正提案は、検査制度の見直しに伴う炉規法改正を原子力規制庁が来年の通常国会に上程することから、それに併せて原子力規制行政の正常化に向けた炉規法改正も行うことを提案しているものです。

 同部会での炉規法改正に関するヒアリングは、原子力国民会議がトップバッターとして行われたもので、今後、関係者からのヒアリングを行って自民党としての見解が取りまとめられる予定です。

以上

—>>PTでの説明資料はこちらから

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