大飯原発3、4号機運転差止裁判の判決について

2014年6月1日(日)

一般社団法人「原子力の安全と利用を促進する会」及び 一般社団法人「原子力国民会議」の共同声明

賛同者代表: 有馬朗人、今井敬、葛西敬之、石原進、木元教子、宮健三、石井正則、清水昭比古、諸葛宗男、山口篤憲

2014年5月21日、福井地方裁判所において、大飯原発運転差止請求訴訟の判決が出されました。同発電所3号機と4号機の運転差止請求を認めるものです。

一般社団法人「原子力の安全と利用を促進する会(以下、促進会)」及び一般社団法人「原子力国民会議」は、当該判決に対し直接コメントする立場にはありませんが、その内容は原子力発電所の安全性に関して国民に大きな誤解を与える恐れがあり、以下の見解を公表することにしました。

まず、判決では福島事故の事故原因が究明されていないと述べていますが、事故の原因が地震ではなく津波にあったことは、既に日本原子力学会の事故調査委員会報告書で明白に結論付けられているように、事実誤認です。一時期、津波が襲う前に地震で重大な事故が起きていたのではないかとの説が流れましたが、多くの専門家の分析・評価によって明確に否定されています。

次に、炉心溶融に至るまでの時間に大きな事実誤認があります。停電が起きれば「数時間」で炉心溶融に至る、と述べていますが、福島第一原発事故の後、旧原子力安全・保安院から指示を受けて取られた緊急対策によって原発の安全性は格段に向上しており、大飯原発3、4号機とも電源が喪失しても炉心溶融まで「16日間」持ちこたえられるようになっています。

事故後に安全性向上対策が行われてきているにも拘らず、このような事実誤認がされることは原子力の正常化を願う国民として看過できるものではありませんが、同時に、実施された安全性向上対策についての国民への説明が浸透していなかったことを反省しなければなりません。「促進会」と「原子力国民会議」は今後、福島第一原発の事故の教訓を受けて原子力発電所の安全対策がどのように強化されたかについて、正確な情報を広く国民に発信していくよう努めます。

また、この問題は、原子力の安全性を一元的に統括している原子力規制委員会が新しい規制基準によってどれだけ安全性が向上したかを国民に向けて解り易く説明する活動を怠っていることにも原因があります。衆参の両議院に設置されている原子力問題調査特別委員会が原子力規制委員会に対し、「かかる不作為を廃し、その権威を高め、専門家はもとより国民からの信頼を勝ち取るために、特別の措置を講じるよう」指導されることを要望する次第であります。

以上

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