最終処分にまつわるコラムです。

深地層研究施設の役割

幌延や瑞浪の深地層研究施設を見学された方々は、スマホなどで自由に撮影できるオープンな状況の中で地下深部を体感します。地下坑道ではどのような研究が実施されているか研究者の説明を受け質疑応答にはフランクに応答する姿に信頼感を覚えるようです。これらを通じて、研究者だけでなく見学される方々が地層処分を理解する上で欠かすことができない基盤的な研究を実施している施設であることを知ります。
深地層研究施設は多くの予算を投入して建設されていますので、単に地層処分の基盤研究だけで使命を果たすと考えてはなりません。日本ではまだ実現していませんが、国際的には原子力規制委員会等規制機関が社会の信頼を得ていくために深地層研究施設を使って独自の技術能力を高めたり、事業実施主体が人材育成、規制機関や社会との対話の場として活用したりする重要な役割があることが知られています。また、超深地層研究所の例では、既に東濃地震科学研究所による学術研究が実施されていますが、さらに、研究機関や産業界に地下深部の環境を利用する機会を提供していくことが望まれます。
とりわけ、地球温暖化の中でも地下深部は、15℃程度の低温・定温に保たれていますので、その「低温・定温資源」の活用が期待されます。また、地上では存在しない希少価値があるバクテリアの存在が確認されバイオ・サイエンス分野の利用も待たれます。

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